海外在住者が仮想通貨を始めるには?ビットコイン投資や海外税法を解説

仮想通貨の世界は、規制の潮流に巻き込まれています。2023年6月1日から香港でも個人が仮想通貨を保有できるようになりましたが、その裏では、従来自由に取引していた香港居住者、香港人に対して取引所がサービスを停止または一時停止する動きが増えています。特に、仮想通貨の取り扱い通貨が大幅に制限される傾向にあります。


さらに、仮想通貨といえば「Binance(バイナンス)」が一般的でしたが、これまで日本人の主戦場だったバイナンスグローバルから、日本居住者は弾き出され、代わりにバイナンスジャパンへの新規口座開設を求めています。そして、米国版のバイナンスは法的な問題で多くの仮想通貨をDelistしなければならない状況に追い込まれています。


このような変動の中、税制への対応はユーザーの義務となります。各国の税法には必ず従うこと、取引履歴等は確保しておくことが求められます。また、居住国によって取り扱い可能な通貨が制限されることもあるため、十分な注意が必要です。


これらの情報は、仮想通貨市場に足を踏み入れるすべての人々にとって極めて重要な観点です。この記事では、これらのテーマをさらに詳細に掘り下げていきます。

海外移住者・海外在住者が仮想通貨への投資を始める場合、税務上の扱いについて正しい認識を持つことが重要です。

海外で仮想通貨取引をして節税を考える人もいるかもしれませんが、国や地域によっては仮想通貨で得た収益にも税金が課されます。また、海外在住者が日本の取引所を利用することは禁止されているケースもあります。

したがって、海外へ在住する場合は居住する国の税制や取引所のルールを理解して取引しなければなりません。本記事ではタイ・ベトナム・香港の税制も紹介しつつ、海外移住者・海外在住者における仮想通貨の取引と税制について解説します。

一般的に、日本の非居住者であれば日本への納税義務はありません。海外在住者が自分の住む国や地域で仮想通貨を売却した場合は、その国や地域の税制にしたがって納税することが原則となっています。

まずは日本の居住者・非居住者の定義を整理し、仮想通貨の取引にどのような影響を与えるのか確認しましょう。

日本の居住者・非居住者の定義とは?

居住者とは、国内に住所があり、現在まで引き続き1年以上住み続けている個人をいいます。一方、非居住者とは居住者以外の個人です。

1年以上の海外勤務予定で日本を出国した人は、出国の時点で非居住者となります。もし海外勤務の期間が変更となった場合は、その都度居住者・非居住者の判定が行われます。

居住者・非居住者の判定基準を知らないまま海外へ行くと、仮想通貨の取引で生じた収益について想定外の税金が発生する可能性があります。それだけではなく、脱税や追徴課税につながる恐れもあるため、居住者・非居住者と税金の関係は専門家に相談することも考慮に入れてしっかり理解しましょう。

海外在住者が日本の取引所で仮想通貨を売却した場合

海外在住者(日本の非居住者)が日本の取引所で仮想通貨を売却して収益が出た場合、日本での課税対象とはなりません。しかし、居住している国で課税される場合があります。国により課税されるかどうかは異なるため、不明点があれば現地の税制に詳しい専門家へ相談しましょう。

また、そもそも海外在住者は日本の取引所を利用することが禁止されているケースもあるため、取引資格があるかどうかの確認が必要です。

海外在住者が現地の取引所で仮想通貨を売却した場合

海外移住・海外在住している国の取引所で仮想通貨を売却して収益を得た場合は、現地の税制に従って必要があれば税金を納めます。

次で紹介しますが、仮想通貨の売却益に課税されない国もあります。今後、ルールが変更される可能性もあるため、現地の税制改正には注意しておくことが重要です。

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タイ・ベトナム・香港の仮想通貨と税制

ここでは日本からの移住者も多いタイ・ベトナム・香港における仮想通貨の税制について開設します。

仮想通貨に関する税制や規制は国によって異なるため、専門家へ相談することも重要です。また、税制が変更となる可能性もあるので、最新の情報を確かめるようにしましょう。

タイ

タイでは、仮想通貨の取引で発生した利益は他の所得と合算して課税されます。利益に対して15%の源泉徴収がありますが、これは控除を受けることが可能です。

注意しなければならないのが、15%の源泉徴収は控除可能であるものの、利益が非課税になるわけではないという点です。タイでは累進課税制度を導入しているため、個人所得の金額によっては最大35%の税率がかかります。現在タイに住んでいる場合、日本の取引所で発生した仮想通貨の利益はその年内にタイへ持ち込まなければ課税されません。

外国の税制については日本で正確な情報を得ることが難しい側面もあるため、安易な判断をせず専門家へ相談することも検討しましょう。

ベトナム

現状、ベトナムでは仮想通貨の保有について税金は課されません。

ベトナムは仮想通貨が広く普及している国ですが、決済手段として仮想通貨が認められていません。もし仮想通貨で何かしらの決済を行った場合は違法となる可能性があるので注意が必要です。

現状はベトナムにおける仮想通貨の取引で課税はされないものの、今後国の方針が変わる可能性もあります。法整備が進むことにより規制や監視が厳しくなることも念頭に置いた取引が重要でしょう。

香港

香港では、仮想通貨の取引について「資本性がある」と判断されたものについては課税されません。一方、トレーディング目的で保有して売却した利益については課税されます。

資本性があるかどうかの判断基準は明確に定まっているわけではありません。例えば仮想通貨の保有期間や取引の頻度などが判断材料となりますが、最終的には税務局に判断はゆだねられます。

こちらも自己判断するのは難しいため、もし香港で仮想通貨の取引で収益が発生した場合には専門家へ相談してみることをおすすめします。

海外移住者・海外在住者が仮想通貨の口座を開くときの注意点

海外在住者が仮想通貨の口座を開設する場合、以下の点に注意しておきましょう。

自己判断のみで動くと取引が禁止される可能性があるため、不明点は取引所などへ確認しつつ手続きを行いましょう。

まず、海外在住者となった場合、日本の仮想通貨の取引所には口座開設ができない場合があります。すでに海外移住しており新規に取引所に口座を開く際は、自分に口座開設の資格があるかどうか取引所に確認してみましょう。

海外移住に伴い、日本の取引所の口座は退会手続きが必要となることもあります。退会を求められた場合、保有資産を引き出さずに退会してしまうとその後ログインして出金することは不可能になるため注意が必要です。

また、海外在住者の利用を禁止している取引所へ海外からアクセスして取引を行った場合、サービスの利用の一部もしくは全部を制限されてしまう可能性があります。海外在住者で仮想通貨の取引を行う場合、最初に取引所の規約を確認してから取引を開始しましょう。

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海外在住者の仮想通貨取引は税制と取引所のルール把握が大事

一般的に、海外移住者・海外在住者が日本の取引所で仮想通貨を売却して得た収益は、居住している国で課税されます。しかし、そもそも海外在住者による取引を禁止している取引所もあるため、安易にアクセスせずまずは取引所へ確認しましょう。

仮想通貨の取引による収益は、国によって課税されるケースとされないケースに分かれます。仮想通貨自体がまだ発展途上であるため、これから法整備が進んで税制面でもルールが細かくなる可能性があります。

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