【2024】日本在住で海外収入を得ていると税金がかかる?居住・非居住のケースと活用できる控除を紹介
日本在住で海外企業から仕事をもらっているけれど、海外の企業から支払われた報酬にも税金がかかるか気になっていませんか。海外企業から支払われた報酬にも税金がかかるのか把握していなければ、納税の有無についても不明なままです。放置すると、税金の支払いが遅れ国税庁から指摘を受ける可能性があるため、注意が必要です。
この記事では、日本在住で海外企業から収入を得ている場合の税金について解説します。海外企業へのインボイス対応、日本在住者が活用できる控除も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
日本居住者には全世界所得が適用される
日本居住者には、全世界所得が適用されるため、どこの国からの報酬であっても税金がかかります。全世界所得とは、国外から得た報酬についても課税を行う方式です。
日本に住んでいる人は、すべての所得に対して納税の義務が発生するため、海外収入を得ている場合は、収入に対する日本の所得税がかかると考えておきましょう。
また、日本に住んでいないけれど、日本企業から収入を得ている場合は、日本で発生した収入にのみ納税が求められます。
海外収入がある場合は確定申告も必要
海外から収入を得た場合も日本の所得税の課税対象となるため、確定申告をしなければなりません。確定申告をする場合は、海外で得た収入の金額分を日本円に換算する必要があります。レートは日々変わるため、報酬を得た日のレートを参考に日本円に換算しなおします。
海外企業へのインボイス対応
海外企業と取引をしている方は、インボイス対応についても確認しておきましょう。インボイスとは、売り手が発行したインボイスを買い手に交付することで、買い手が仕入れ額控除を受けられる制度です。
取引先がインボイスに対応している場合、控除を受けるためにインボイスの交付を求められます。登録していない場合は取引先が控除を受けられなくなるので、今後の仕事に影響が出るかもしれません。まだ登録していない方は、早めに登録することがおすすめです。
ただし、海外企業のすべてがインボイス制度の対象になっているわけではありません。取引先がインボイス制度の対象かどうか、以下のポイントを確認しましょう。
- 2期前の決算における課税売上高が1,000万円を超えている
- 設立から2期以上経過していない法人の場合は、事業初日時点の資本金が1,000万円を超えているか
どちらかに該当する場合は、取引先に適格請求書発行事業者登録をしているかを確認しましょう。課税事業者で日本への納税義務を負うことがわかれば、インボイスへの対応を進めてください。
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確定申告は日本居住・非居住かによって異なる
確定申告の有無は、日本に居住しているか・非居住かによって異なります。居住・非居住それぞれのケースごとに、確定申告の必要性について説明します。
日本居住者は海外収入の確定申告が必須
日本在住で海外から収入を得ている人は、確定申告をしなければなりません。前述したように、確定申告前に得た収入を日本円に換算する必要があります。換算していない状態だと申告が難しいため、報酬を得た日のレートから、日本円での収入額を算出しておきましょう。
非居住者は居住国で納税する
日本の非居住者が海外から収入を得ている場合は、住んでいる国の法律に従って納税します。ただし、日本企業から得ている収入に関しては課税対象になるため、別途確定申告を行う必要があります。
日本在住者が活用できる控除
海外企業から収入を得ている日本居住者は確定申告をしなければなりません。申告の際には控除を活用できます。日本居住者が活用できる外国税控除について解説します。
外国税額控除とは?
外国税控除とは、日本居住者が得ている海外収入に適用できる控除です。所得額から控除を差し引けば納税額を抑えられるため、控除を適用させたうえで所得税額を計算しましょう。
控除される金額
控除される金額は計算式に基づいて算出されるため、人によって異なります。外国税控除額の計算式は年間の所得税額×年間の国外所得額÷年間の所得総額=控除額です。
年間の所得総額200万円、国外からの所得額100万円のケースを例に挙げてみましょう。まずは総所得にかかる所得税額を計算する必要があるため、総所得額300万円にかかる税金を算出します。
300万円×10%(所得税率)-97,500円(所得税控除)=202,500円が所得税です。外国税控除額の計算式に当てはめると、202,500円(年間の所得税額)×100万円(年間の国外所得額)÷300万円(年間の所得総額)=67,500円となります。
計算式を参考に、自身の所得額や所得税額を当てはめて、控除額を把握しましょう。
外国所得税に含まれるものと含まれないものもチェック
外国所得税に含まれるものと含まれないものがあるため、計算前にチェックしておくことがおすすめです。まずは外国所得税に含まれるものを見てみましょう。
- 超過所得税や個人所得の特定の部分に課税標準として課される税
- 個人所得、または特定部分に課税標準として課される附加税
- 個人所得を課税標準と課される税と同一の税目に属しており、徴税上の便宜のため、所得に代えて収入金額やそれに準ずるものを課税標準として課されるもの
- 所得を課税標準とする税に代え、収入金額やそれに準ずるものを課税標準として課されるもの
いずれかに該当するものは外国所得税に含まれるので、計算に入れましょう。続いて、外国所得税に含まれない項目を紹介します。
- 納税後、任意に全額、または一部の還付を請求することができる税
- 税の納付の猶予期間を任意に定められる税
- 複数の税率から納付する人と、外国や地方公共団体などの税率を合意する権限を持った者との合意によって税率が決定された税の一定部分
- 外国所得税に附帯して課される附帯税や、それに相当する税
含まれるものと含まれないものを把握しておかなければ、何を含めて計算すべきかがわかりません。項目を確認したうえで、含まれるものをチェックし、控除額を計算しましょう。わからない点は、海外収入の確定申告などに詳しい専門の機関に相談するのがおすすめです。
まとめ
日本在住のフリーランスには全世界所得が適用されるため、国内外問わず、得た収入はすべて所得税の対象となります。外国から得た収入と日本で得た収入と合算して確定申告を行いましょう。
外国から得た収入には外国税控除が適用されるので、所得税額を抑えることも可能です。外国税控除の額は年間の所得総額や所得税額がわからなければ計算できないので、ここで紹介した計算式を参考に金額を算出し、少しでも納税額を抑えましょう。
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