【2024】非居住者はふるさと納税でおトクになる?海外赴任時の確定申告や所得税還付・住民税控除の有無を解説
ふるさと納税をした後に海外赴任が決まり、控除が受けられるか心配な方も多いかと思います。ふるさと納税をすると、返礼品を受け取れるだけでなく、所得税や住民税の控除も受けられますが、日本以外に住むことになり非居住者になる場合は控除を受けられるのか気になるところです。
この記事では、ふるさと納税後に海外赴任をする場合、控除を受けられるのかをケース別に解説します。出国時の確定申告での控除や、ふるさと納税をおこなう最適なタイミングも紹介しますので、節税のためにふるさと納税をする予定の方はぜひ参考にしてください。
ふるさと納税は1月1日から12月31日の1年間にふるさと納税(寄付)を行った分が、当年度の所得税の還付、また翌年度(6月)の住民税の控除の対象となります。しかし、返礼品や節税のためにふるさと納税をしていたものの、急に海外赴任が決まってしまったという話は珍しくありません。
ここでは、ふるさと納税をした年と翌年のケース別に、住民税の控除の有無を紹介します。
①ふるさと納税をした年に海外赴任をするケース
ふるさと納税をした年と同じ年に出国すると、翌年の1月1日時点で非居住者になります。翌年の1月1日時点で非居住者であればその年の住民税の納税義務がないため、前の年に行ったふるさと納税の控除も受けられません。
たとえば、2024年1月にふるさと納税をして、2024年10月から海外赴任することになったとします。そうすると、翌年2025年1月1日時点で、日本の非居住者になります。この場合、2025年度の住民税の支払い義務がなくなるので、控除も発生しません。
②ふるさと納税をした翌年に海外赴任をするケース
ふるさと納税をした翌年に海外赴任をする場合は、住民税の控除を受けられます。たとえば、2024年1~12月にふるさと納税をしており、2025年4月からの海外赴任をすることになったとします。この場合、2025年1月時点ではまだ日本に居住しているため、2025年度の住民税を支払わなければなりません。
ただし、住民税の支払いは毎年6月から始まるため、2025年6月よりも前に出国した場合は納税が難しくなります。税金を支払わなければ脱税扱いになる恐れがあるため、納税を代行してくれる、納税管理人を探す必要があるでしょう。
納税管理人とは、自身に代わって納税してくれる人です。納税を代行してもらえば、税金をきちんと収められるため、安心して出国できるでしょう。
出国時の確定申告で控除を受けられる?
ふるさと納税をすると所得税と住民税の控除を受けることができるため、②のケースでは、住民税の控除を受けられます。所得税に関しては、出国時の確定申告で控除を受けられるため、出国のタイミングを問わず申請することが大切です。
ここでは、出国時の確定申告で所得税の還付を受ける方法を解説しましょう。
寄附金控除を受けることが可能
海外への出国時に確定申告をおこなうと、寄附金控除を受けられます。寄附金控除とは、国や地方公共団体などに特定寄附金を出したときに受けられる控除のことです。ふるさと納税は地方公共団体への特定寄附金に該当するため、控除を受けられます。
寄附金控除額の計算方法は、2通りあります。
- 1年に納めた特定寄附金の合計額-2,000円
- その年の総所得金額等の40%相当額-2,000円
参考:国税庁「No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)」
どちらか金額が低い方の計算方法が採用されるため、1年に収めた特定寄附金の合計額と、その年の総所得金額等の40%相当額のどちらが低いかを計算しておきましょう。数字を把握しておけば、どれくらい控除されるかを事前に確認できます。
寄附金控除の申告方法
寄附金控除は住んでいる地域を管轄する税務署に申請しなければなりません。必要書類を用意したうえで、出国前に申請しておきましょう。ふるさと納税をした場合の寄附金控除に必要な書類は以下の通りです。
- 寄附金の受領書、または領収書
- 寄附金控除に関する証明書
- 確定申告書
参考:国税庁「No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)」
まずは寄附金控除に関する事項を記載した確定申告書を作成しましょう。ふるさと納税をした際は、寄付した団体から受領書、または領収書が送られてくるので、そちらを添付書類として提出します。
受領書や領収書は、年間の寄附金合計額を記載した寄附金控除に関する証明書に代えることも可能です。いずれかの書類を添付したうえで税務署に提出すれば、所得税の控除、または還付を受けられます。
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ふるさと納税をするタイミングは?
海外赴任がある年は、ふるさと納税は行なわない方が無難です。前述のとおり、1月1日時点で日本に居住していない人は、その年の住民税の支払い義務がありません。出国時の申請で所得税の還付や控除を受けられるものの、住民税に関する恩恵は受けられません。
ただし、住民税の控除は、あくまでふるさと納税の恩恵のうちのひとつと言えます。住民税の控除を受けられなくても、返礼品や所得税のメリットが大きい場合は、海外赴任を気にせず納税してもいいでしょう。しかし、すべての恩恵を得たいのであれば、海外赴任の可能性がないタイミングで納税することがおすすめです。
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まとめ
ふるさと納税のメリットは、非居住者だと得られない可能性があります。納税をした年に出国した場合は所得税のみ、翌年に出国する場合は所得税と住民税の控除・還付を受けられるため、納税の恩恵を受けたい方は、海外赴任がないタイミングだけふるさと納税をしましょう。
所得税の控除や還付受ける際は、管轄する税務署に寄附金控除の申請をしなければなりません。必要事項を記載した確定申告書と添付書類を用意し、出国前に必ず提出しましょう。
ここまで、色々と条件を記載してきましたが、税金だけを意識しても人生面白くありませんので、出来る時は意識してふるさと納税し、駐在が決定したり、海外生活を決めた場合などは金額によると思いますが、これから始まる楽しい海外生活に意識を注いだ方が、長い人生におけるリターンは大きいでしょうね!
ご不明な点等ございましたら、納税先の自治体までお問い合わせください。