海外送金で受け取りエラーが続くときの原因と対処法は?
海外送金が上手くいかない場合、問題があるのが資金の送金側か受け取り側かを調べる必要があります。
また、送金先の国によって気を付けるべきポイントが異なる点に注意が必要です。今回は送金が拒否された際に考えたい問題とその対処法のほか、タイ・香港・ベトナムへ送金するなら知っておきたい点について解説します。
場合によっては送金サービスの変更が必要な場合もあるため、エラーが発生した場合はあらゆる可能性を考慮しておきましょう。
詳細については、記事内に詳細に記載していますが、最近発生した残念な事例を耳にしたのでご紹介しておきます。
「海外から日本向けに送金した際、いつまで経っても受け取ったという連絡がなく、逆に不安に思って問い合わせをしたところ、日本の銀行による『着金拒否』であることが判明しました。お金がずっと宙に浮いた感じで、夜も眠れない日々が数週間続きましたが、最終的に送金を諦め、元の口座に返金してもらうことになりました。
ではなぜ『着金拒否』という悲劇に直面したかと言うと、知人に指摘されてハッとしたのですが、指定された日本の銀行口座が『日頃使っていない口座』であり、大きい金額を送る前に少額で送金テストをしたことを、事前に受け取り先銀行に確認していない状態だったので、「もしかしたらオレオレ詐欺の一味として監視対象になってしまったのではないか?」という一般人では良く理解できないエラーに陥ってしまいました。」
といった話を、知人からシェアして頂きました。数週間ものあいだ多額の現金が宙に浮いた状態になるというのは不安ですし、本記事にしっかりとポイントを書いていますが、どれだけ事前準備が大事かというのは実感しました。
海外送金する場合、手段は2つあります。
- 銀行(窓口・銀行独自のアプリ・Web上)
- 海外送金サービス
銀行を利用して海外送金する場合、資金は「中継(コルレス)銀行」を経由して海外の銀行へ送金されます。
一方、海外送金サービスを利用する場合は、中継銀行は経由せず直接海外の銀行へ送金されます。銀行は中継銀行を経由することによるコストがかかりますが、海外送金サービスでは銀行と比べて安く・早く着金が可能である点が強みです。
海外送金では送金限度額が定められており、この範囲内で送金しなければなりません。
また、マネーロンダリング防止のために送金目的などを明らかにすることが必要です。これらが適切に行われない場合、海外送金が拒否される可能性があります。
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海外送金が拒否される原因と対処法
海外送金が拒否される場合、エラー原因が送金側にあるのか、受け取り側にあるのかを明らかにする必要があります。
ここでは、海外送金が上手くいかない際の主な原因とその対処法を紹介します。
送金先の情報が間違っている
送金先の銀行や支店名、口座名義、口座番号などが間違っている場合、上手く海外送金ができずに拒否されてしまう可能性があります。
まずは以下の情報について間違いがないか確認してみましょう。
- 受取銀行のSWIFTコード
- 受取銀行および支店名
- 銀行の住所
- 受取人の口座名義
- 受取人の口座番号
- 受取人の住所
- 受取人の電話番号
必要書類が不足している
例えばマイナンバーカードなど、海外送金をする上で準備しておくべき書類が不足していると手続きが進みません。
あらかじめ利用する銀行や海外送金サービスに確認しておきましょう。
送金限度額を超えようとしている
送金限度額を超えた送金はできません。
もし送金限度額を超えそうな場合は、少額にして複数回に分ける、利用する海外送金サービス等を変更するといった対処が必要です。
受取不可な通貨である
受取銀行が送金時の通貨での着金が不可なケースも考えられます。
受取銀行における海外送金のルールを確認し、送金しようとしている通貨に対応しているか確認しましょう。
銀行などによるオペレーションミス
銀行や海外送金サービス側が何らかのオペレーションミスを起こし、送金が上手く行かない可能性もあります。
あってはならないことですが、海外送金が上手く行っていない場合はまず問い合わせてみましょう。
海外送金の対象外国である
資金の送金先が銀行や海外送金サービスの対応エリア外である可能性もあります。
海外送金をする前に確認するとは思いますが、マイナーな国や地域へ送金する際はサービスが利用できない可能性も考慮しておきましょう。
休日などでサービスが停止中
例えば銀行を利用して海外送金をする場合、銀行の営業日外を挟むと着金までに時間を要します。
もし既に手続きを終えているのに届かない、という場合、銀行の営業スケジュールを確認してみましょう。
中継銀行を経由する場合は、その銀行の営業日も考慮する必要があります。
送金先の国・地域で規制された
送金先によっては、海外送金について監視や審査が一段と厳しくなることがあります。
国の内部事情によることもありますが、国際的な安全保障の観点から規制が設けられている場合もあります。
海外送金で送金人・受取人が気を付けるべき点
海外送金に関して、送金人と受取人がそれぞれ気を付ける点を整理しておきましょう。
つまづきやすいポイントを押さえておけば、着金拒否やエラーを防ぐことにも役立ちます。
送金側
- 海外送金に必要な書類は何か
- 送金先情報を間違いなく入力できているか
- 送金限度額を超えていないか
- 銀行や海外送金サービスの営業日か
送金人は受取人とコミュニケーションを取り、正確な情報を揃える必要があります。
また、実際に利用する銀行や海外送金サービスをよくリサーチし、必要書類や着金までのスケジュールを明確にしておくことが重要です。
いつごろ着金するのかを受取人へ伝えておくと、相手も安心するでしょう。
受取人
- 送金人に伝える情報に間違いがないか
- 受取銀行は送金された通貨を受け入れ可能か
- 着金口座が凍結されていないか
- 海外送金で規制に引っ掛からないか
受取人は送金人へ正しい情報を伝えることが一番重要です。
また、受取銀行の海外送金にかかるルールや着金口座の状態も確認しておくと安心です。
もし何か気を付けを付けるべき規制がある場合は、あらかじめ送金人へ伝えておくとスムーズでしょう。
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タイ・香港・ベトナムへの海外送金
国・地域によっては海外送金の規制やチェックが厳しい場合もあります。
ここでは日本人の在住者も多いタイ・香港・ベトナムにおける海外送金の注意点を整理します。
タイ
タイへの海外送金では、1回当たりの送金上限額はありません。
ただし、1回当たりの送金額が20万ドル以上の場合は、送金目的を示す書類などが必要となるので注意しましょう。
香港
HSBC香港銀行の口座へは、日本の各銀行から送金が可能です。
ただし、送金元の銀行によっては米ドルでしか受け取れない場合もあるので、あらかじめ受取人へそのことを伝えておくと安心でしょう。
ベトナム
ベトナムは中央銀行が為替相場に介入しており、海外送金については規制が厳しいので注意が必要です。
1人当たりの年間送金限度額は5万ドルに制限されており、これを超える場合は所定の書類を提出しなければなりません。
また、海外送金時には送金目的を受取銀行へ通知する必要があります。通知内容が曖昧だと送金拒否される可能性もあるため、明確に伝えるようにしましょう。
海外送金が拒否されたら原因を丁寧に確認しよう
海外送金が拒否されるなど上手く行かない場合は、送金人と受取人の両サイドから原因を探してみましょう。
特に海外送金では必要となる情報が多く、ローマ字での入力となるため、ミスも発生しやすいと考えられます。
不明点があれば銀行などに問い合わせ、不備がないように準備することが重要です。海外送金の場合、もし不備があって手続きをやり直すことになれば、時間がかかってしまう可能性も高くなります。
もし海外の銀行口座が凍結されている、諸手続きでトラブルが発生しており自力での解決が難しいといった場合は、OSSJへお気軽にご相談ください。迅速な解決に向けてサポートいたします。